スキーを始めたきっかけは?
一樹さん
最初は遊びで、その内毎日行くようになって、中学生ぐらいから大会に出て勝ちたいと思うようになってきて、高校、大学はレース中心でしたね。そろそろスキーやめようかと思い始めたんですが、すでにスキーというものが自分の生活に密着していて、やめられませんでした。その頃、技術戦があるから挑戦してみれば、と紹介してもらったんです。滑りながら、何かをする場所を探したら、それが技術戦だったんです。2年目でデモになって、それからもう20年になります。
悠佳さん
私の場合、父に無理やりやらされて始めました。最初の頃は1本滑って帰りました。(笑)デモをやるようになって、自分でやりたい!と思うようになりました。
スキーのオモシロさ その1:スキー+旅行の楽しみ
一樹さん
ゴルフやテニスの場合、何番ホールのあのショットはよかった、あのときのスマッシュはよかった、なんてよく言うと思いますが、スキーの場合、あの3ターン目はすごいキレたよね?とはあまり言わないですよね。(笑)
あの滑りのどこがよかったとは言わなくて、あの山行ったときはよかった、という表現になる。スポーツなんだけど、半分は旅行みたいな要素があると思う。
スキーの場合、年齢ごとに楽しみ方が違うな、って思います。僕の場合、10代、20代の頃は、スポーツとしてのスキーのことしか思わなかったんですけど、30過ぎて、周りの風景を少し見られるようになってきて、35過ぎたあたりから、あれっ、山ってきれいだな、って感じるようになって。年齢とともに、スキー+旅というイメージが強くなってきたんです。お客さんと海外ツアーなんか行っても感じるし、一人だけで出かけてみたこともあったり。旅行の楽しみが加わってきたんです。今思うと、あの時は、もうちょっと見たり感じたりしておけばよかったなー、と思うようになって。悠佳も、毎年アメリカへ行ってスキーしてるよね。単に「行って、滑って、帰る」から「行くまでの風景を楽しむ、山も楽しむ」というように、だんだん感じると思うよ。
悠佳さん
そうですね。一樹さんのおっしゃるように、プラスアルファとしての魅力、旅行的感覚の部分というか、スキー場に行って、雪質を感じ、景色やその地方の名物を楽しみ、一緒に言った仲間と楽しむ、っていうのはありますね。女性だったら、アフターは本当に楽しいです。あと、食べ物とかも。あそこの食事はおいしい、って聞いたら、たとえゴンドラ乗ってでも、行く!あと、温泉も!!
スキーのオモシロさ その2:技術志向
一樹さん
楽しければいいといいながら、楽しさを味わう裏には、やはり上手くなりたい、という技術志向が必ずあると思うんです。楽しく!楽しく!飲んで楽しければ終わり、というのはおかしくて、必ずトライして、練習して、技術を向上させたい、という気持ちはどの世代にでもあって。特に40代、50代とだんだん思うようにならなくなってくると、一層強くなってくると思う。根底には、スポーツとして、楽しんでいく為には上達したいという気持ちが絶対あると思う。
あと、スピードへの魅力。自分は40才になってから、スーパーGという高速競技に出ているんですけど、スピードは怖いですが、それを乗り越え終わったときの満足度は、より高いですね。
悠佳さん
一樹さん、特に外国では飛ばしますよね?
一樹さん
でも、アメリカも、ニュージーランドも基本的にはスピードの出しすぎはNG。ゲレンデ内は必ず落とせ、と言われる。厳しい所とそうでない所があるけど。スピードに関しては、日本の方がゆるいと感じますね。
悠佳さん
パトロールがついてこれないですからね。(笑)
スキーのオモシロさ その3:非日常的な感覚
一樹さん
非日常的な状況の中で、非日常的な感覚を得られるということ。寒い雪の中だけど、風を感じながら滑り降りていく時のスピード感、体に感じる重力は普段は感じられないですし。スピードや斜度で恐怖感が出てきて、ケガやリスクもあるけど、それを乗り越えた時の気持ちよさ、興奮、満足感など、普段なかなか味わえないフィーリングがスキーはいいんだなぁ、と。
悠佳さん
それはまったく同じですね。スピード感とか、パウダーのところをフワフワすべっていく感覚なんて、通常ありえない感覚じゃないですか。ワクワクしちゃいます。
スキーのオモシロさ その4:見られたい感覚
悠佳さん
朝一番に、圧雪車が入ってきれいなバーンをかっとんでいくのは一番好きかも。バーンには人もいなくて目立つし、リフトの上から、こっち見てる!見られてる!みたいな感覚がイイです。それで、下に着いたとき、女だったの、みたいな顔されると、余計に、うれしくなっちゃいます!
一樹さん
自分でやる、楽しむスポーツなんだけど、みんな見られたいという意識がはたらくと思う。あまり空いているスキー場ばかり行く人はいないかもしれない。中にはストイックな人もいるとは思うけど。新雪にシュプール残したい、誰かに見られたい。僕なんかも、結構リフトに近い所をすべるんですよ。
技術戦について
一樹さん
技術戦はいろいろな捉え方をされるけど、ジャッジ(判定)競技なので、自分の満足度と点数が一致しないことがあるんです。その辺で、それを楽しめる人と楽しめない人がいる。僕は、ゲームとして楽しむ、という考えにしています。この種目はダメだったけど、次の種目でがんばればいいっかなー、って。
悠佳さん
20年間やってないと、そういう風に考えられないと思う・・・・私には余裕がまだ全くないです。20代の時ありました?
一樹さん
ないよ。1年目は何もわからなかった。2年目になってやっぱり少しわかるようになってきて、なんで今上手くいったのに点数出ないのって。ストレスになってしまって。スクールで指導する活動をやるようになって、教える側の自分の感覚は悪くても、相手(生徒)が上手になればいいんだ、と。教えながら、生徒さんをジャッジに見立てて、そんなイメージになってから、結果がよくなって。自分の満足度は0でも相手が100と思ったら100が出る。自分の満足度を出したいところは別のところでやればいいかな、とある程度割り切って。がんばっても、流れがあって、ポイント出ないときがある。そのときは、しょうがないなぁ?と。
ざっくばらんにスキー業界について
一樹さん
ゲレショク(ゲレンデでとれる食事)、まずいとこ多いよね。だからコアな層の人たちは、一つのゲレンデの中にどっかおいしいところあったら、そこまで行って食べる、なんてことしてる。
適正なサービスには、みんなお金は払うと思う。特に40才を超えてくると、何でもかんでも安いがいい、ではない人が増えてくると思う。1回嫌な思いをすると、次は変える。それから、レッスンにしても、アルバイトの大学生も1日3万円、キャリア20年でも1日3万円のレッスン料だと、情報量とか質も違うんだから、レッスンの値段も差が出てもいいのに。日本はプライベートレッスンとか、料金が安いですよね。
日本のスキーの販売サイクルも変えないと。コアな人たちの動きは、1月にNEWモデルが出て、ゴールデンウィークまでに試乗会でたくさん乗って、もうお腹一杯になっちゃう。受注会が6月にあって、実際は使えるのは12月。この間、NEWモデルの話題でもたせられるのか。携帯電話でも車でもNEWモデル発表してから、そんなに待たせない。NEWモデルが手元に届いたら、すぐ1-2ヶ月後にはまた新しいモデルが出てくる。このサイクルはおかしい。9?10月に入ってから一気に発表、という流れがいいんじゃないかな。ドイツなんか、10月頃、大型バスで氷河連れてって、テストセンターで試乗させて、シーズンがスタート。日本は雪の環境が難しいけど。
あと、スキーの回数少ない方はレンタル借りた方がぜったいお得。いつも新しいもの。自分のモノが欲しいという人は別だけど。回数考えるとレンタルがいいと思う。
お二人とも、いろいろな角度からお話をしていただき、かなり盛り上がりました。「好きだからやっている」と声をそろえておっしゃっていましたが、スキーには、たくさんの魅力があるんだなあ、ということを再認識させられました。
長時間にわたり、本当にありがとうございました。

渡辺一樹 (わたなべ かずき)
| ■全日本ランク | ナショナルデモンストレーター |
|---|---|
| ■所属 | 小谷村体育協会 |
| ■使用マテリアル | スキー/ビンディング/ブーツ サロモン |
| ■選手個人ホームページ | http://www.cyber-ski.com |
| ■戦績 |
| 06/07シーズン | 第44回全日本スキー技術選手権大会 | 55位 |
|---|---|---|
| 05/06シーズン | 第43回全日本スキー技術選手権大会 | 28位 |
| ナショナルデモンストレーター認定 | 連続10期目 | |
| 04/05シーズン | 第42回全日本スキー技術選手権大会 | 19位 |
| ■過去の主な戦績 |
|---|
| 第33回全日本スキー技術選手権大会 | 3位 |
|---|---|
| 第31回全日本スキー技術選手権大会 | 2位 |
| 第30回全日本スキー技術選手権大会 | 2位 |
| 第29回全日本スキー技術選手権大会 | 優勝 |
| 第28回全日本スキー技術選手権大会 | 優勝 |
| 第27回全日本スキー技術選手権大会 | 優勝 |
| 第27回全日本スキー技術選手権大会 | 2位 |
| 第25回全日本スキー技術選手権大会 | 優勝 |
| 第24回全日本スキー技術選手権大会 | 優勝 |
| インタースキー 日本代表(サンアントン・野沢温泉・バイトストーレン・クランモンタナ) | |

松本悠佳 (まつもと ゆか)
| ■所属 | USMR |
|---|---|
| ■使用マテリアル | スキー/ビンディング/ブーツ サロモン |
| ■選手個人ホームページ | http://ameblo.jp/matsuyuca/ |
| ■戦績 |
| 06/07シーズン | 第44回全日本スキー技術選手権大会 | 9位 |
|---|---|---|
| 05/06シーズン | 第43回全日本スキー技術選手権大会 | 11位 |
| 04/05シーズン | 第42回全日本スキー技術選手権大会 | 21位 |
